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1. 【校長室より】第1学期終業式

投稿日時: 2024/07/19 校長

1学期終業式「校長講話」

 第1学期が、今日で終わります。私には「あっという間」でした。校長室を片付け、君たちの後輩を桶西に送ってもらえるように、たくさんの中学校長さんにお願いして回りました。
 6月には、1年生を中心に、出身中学校に訪問してもらい、「私たちみたいな生徒を桶西にください」と宣伝してもらいました。協力してくれて、ありがとう。
 さらに、實川先生に無理を言って、今年度の学校案内の校正に、次々に要望を出しました。でも、私はまだ満足していません。皆さんにもいろいろ聞いて作りたかった。来年度版、よろしくお願いします。
 先生方にも、中学校に訪問してもらいました。玄関で、軽くあしらわれることもある中、粘り強く、気持ちを込めて、学校の宣伝をしてもらいました。感謝しています。

 それから…、草刈りもしました。20年前、年間100試合を超えるソフトボール部の監督として、「どっちがメイングランドかわからない」と言われた時代を知っている私には、雑草に浸食されている今のサブグランドの様子は、屈辱でしかありません。生徒と一緒に泥まみれ、汗まみれになった場所です。何とかしたいという一心で、毎日時間を作って、草を刈りました。きれいになったらラグビー部の生徒が練習をしてくれました。「おじさんがきれいにしてくれました」おじさんではありません。業務さんと、校長先生が頑張りました。

 そして…。20年前に、一緒に過ごした卒業生が次から次にやってきました。「先生、俺たちの母校を頼むぜ」「何でも言ってくれ、絶対協力するから…」生徒指導担当で、学年の整容指導すべてを担って、一番厳しい存在であった私に…です。今年の文化祭で同窓会総会を開きます。同窓会からも皆さんの頑張りへのバックアップをしてもらうお願いをする予定です。

 私にこれだけの思い出があるのですから、皆さんにも色々あったと思います。生徒総会の時に、皆さんにお願いをしました。「ハートフル桶西」を体現してください。今、ここに290名すべての生徒が参加できていません。せっかく桶西を選んでくれて入学したのに、残念でなりません。もちろん、中学校時代は登校できなかったけど、本人の努力と、桶西で、よい人間関係が作れて、学校に来られるようになった仲間もいます。本当に良かった。誰しも友達が欲しい。自分の気持ちを分かってくれる親友が欲しい。そう思わない人は絶対に居ない。気持ちをうまく伝えることができなくて、悩んでいる人でさえも、現状を何とかしたいと考えているはずです。それを、理解してあげるべきです。

 私は、毎日ラジオを聴きながら通勤しています。こんな話がありました。通勤途中、小学校のそばを通りました。横断歩道で止まってあげました。大きなランドセルを揺らしながら、横断後、全員が止まってくれた車の運転手に対して、深々と頭を下げてお礼をしてくれました。止まってあげてよかった。本当にうれしかった。幼い子の素直な行動は、大人の心を洗い流してくれる。しかし、SNSで、こんな反論がありました。横断歩道で止まるのは道路交通法で定められたことであり、子ども達が頭を下げてお礼をする学校の指導は間違っているとのことでした。この議論、皆さんはどう思いますか?
 私は、学校の指導は正しいと思います。最近、ショッピングモールに買い物に行って、横断歩道で止まりました。小走りで、軽い会釈をして横断する人、止まるのは当然だろ、たらたらと、止まってくれた人の気持ちを踏みにじるように横断する人がいます。どちらが、正しいのでしょうか…。

優しさは優しさにつながります。同じように憎しみは憎しみを、苛立ちは苛立ちにつながります。「ハートフル」を掲げる桶西は、優しさ、思いやりに溢れる学校であって欲しい。心から切実に思います。この年齢になると、自分が後悔している過去の出来事が、折に触れてフラッシュバックします。「こうしておけばよかった」「ああしておけばこんな思いはしなかった」皆さんには、そんな思いをする人生をこれから送って欲しくない。
 私が校長を務める桶西において、一人の生徒も失いたくありません。皆さんにお願いします。若い君たちの時代は誰しも未完成です。私自身もそうであった。助け合いましょう。
 9月2日、すべての生徒が2学期の始業式に参加できることを期待します。事故なく元気で、夏休みを過ごしてください。

校長 長谷川彰則