8.飼育・管理について
健康を維持するために心がけているのは餌と水換えである。餌は人工飼料や乾燥飼料が主にはなるが、それだけでは不足しがちになるビタミン類等を補うために、ミジンコ、アカムシ(ユスリカの幼虫)、ショウジョウバエの幼虫、魚、貝、エビ等の冷凍の生餌を併用している。餌の種類もできるだけ多く食べるように慣れさせるが量は控えめで、週に一日は餌を与えない。大型魚は1~5日おきにしている。だらだら食いよりも、空きっ腹にしておいてから与えるほうが消化吸収が良くて排泄物も少なく、体調が良いからである。水は水道水を常時500リットル汲み置き、温度をあわせ、エアーレーションして交換に供している。一晩で塩素は抜けるのでチオ硫酸ナトリウム(通称ハイポ)などの中和剤は使わない。その水を使って、どの水槽も毎週一回、半分の水換えをしている。濾過をしていて水は透明できれいに見えても、水質は排泄物中の各種イオン等で汚れているものである。濾過槽は状況を見て、2~6ヶ月に一度、中の砂利などの濾材を洗う。アフリカの肺魚類など生息地の水質がミネラルの多い硬水の場合は、濾材にサンゴ砂を使っている。サンゴ砂から溶け出すカルシウムはpHの低下も防いでくれる。混泳させる場合はもちろん相性等に注意する。繁殖をねらっているわけではないが、雌雄をいい状態で飼育していれば自然に繁殖にいたる。ピラニアの繁殖もそうだった。増えた魚などは、希望する方に無料でさしあげているが、必ず死ぬまで飼うこと、飼いきれなくなったら返すこと、絶対に河川等に放したりしないことを約束していただき、住所・氏名・電話番号を控えさせてもらっている。寄生虫、細菌感染症等の病気は殆どなく、食塩とメチレンブルー以外の薬は手元に置いていない。水質調整剤なども使ったことがない。とにかく、餌と水換えで健康は保てる。ちなみに水の全交換は絶対にしてはいけない。水質の急変が魚に甚大なストレスを与えて、逆に健康を害す。餌は医食同源の考え方で、水は汚くなってから換えるのではなくて、きれいなうちに半分換える、これが健康に飼育する秘訣であると確信している。